こんにちは!ふくみっとの中の人です!
「コラム紹介」とは!私が出会ったコラムの中で、介護職に携わる皆さまにぜひお伝えしたい名コラムを紹介するコーナーです!
このコラムは、福祉人材の育成に尽力されているノートルダム女子大学教授の「三好 明夫」先生が、2004年頃に愛媛新聞に寄稿されていた、『介護人への12章』です。
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「レクリエーション」ーー日本語に言い換えると「余暇活動」と言われています。
余暇という言葉が持つ意味から「余裕やゆとりのある人たちだけの特別な遊び」と受けとめられてしまっているかもしれません。
学校教育に中にも登場したレクリエーションは、ダンス、ソング、ゲームに代表されるように「明るく、元気に楽しく、そして仲間づくりを」というイメージで定着していきましたが、当時、その輪の中に障害者はいませんでした。
高齢者福祉施設でもさまざまなレクリエーションが展開されてきました。
低いネットで、やわらかく大きめのゴム風船を使う「風船バレーボール」は、車いすの高齢者でもできるということで全国的にブームになりました。
しかし、反応や笑顔のない高齢者までコートの中に入れられて「これこそが全員で楽しくできるレクリエーションだ」というふうにされていました。
この延長線で、ゲーム性を取り入れたものがさまざまに登場していきますが、あるデイサービス施設で「どれも子どもだましだ」と語っていた高齢者の言葉が忘れられません。
子どもだましなゲームをすべて否定するつもりはありませんが、これらを嫌う人たちにはどのような別メニューが用意されているのでしょうか。
レクリエーションを「生活での快適」と言った人がいましたが、こう考えれば素直にあるべき方向が見えてくるのではないでしょうか。
レクリエーションは少数の職員で多数の高齢者を一度に遊ばせるといったたぐいのものだけではないはずです。
私が勤務していた施設では高齢者の希望を一つひとつ実現していきました。
と言っても、それは無理難題のものではなく当たり前のものばかりでした。
真夏の暑いときにはビアガーデンや居酒屋に出かけて乾杯!
温泉に出かけての入浴!
海水浴では潮風に思い出をよみがえらせてスイカ割り!
一泊旅行は愛媛を離れて高知、香川、徳島へ!
デパートショッピングやお寺参り、チラシで気に入った飲食店での外食もありました。
ところが介護保険が導入されて外出や外食は激減してきました。
自己負担の必要やあまりの忙しさで職員の手が回らなくなったからです。
介護保険になって施設生活の自由度や満足度が低下したとしたら一大事です。
4月から介護保険の厚生労働省令の基準が改正されました。
第15条第4項には「入所者の生活を施設内で完結させてしまうことのないよう、入所者の希望や心身の状況を踏まえながら、買い物や外食、図書館や公民館などの公共施設の利用、地域の行事への参加、友人宅への訪問、散歩など、入所者に多様な外出の機会を確保するように努めなければならない」と明記されています。
日常生活においていかに満足できるか、これこそがレクリエーションではないでしょうか。
三好 明夫
ノートルダム女子大学 社会福祉学 教授
https://notredame-db.net/detail.php?id=65
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