こんにちは!ふくみっとの中の人です!
「コラム紹介」とは!私が出会ったコラムの中で、介護職に携わる皆さまにぜひお伝えしたい名コラムを紹介するコーナーです!
このコラムは、福祉人材の育成に尽力されているノートルダム女子大学教授の「三好 明夫」先生が、2004年頃に愛媛新聞に寄稿されていた、『介護人への12章』です。
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子どもたちに将来希望する職業を尋ねると「看護師さん」「幼稚園の先生」「パイロット」「お医者さん」など人気が高いそうです。
これは外見からも姿形が明確で、幼子にも仕事の内容が理解されやすく、人のために役立つ仕事だと感じさせているからだとも言われています。
福祉の世界にも介護の専門職として「介護福祉士」がいます。
高齢者が介護を安心して受けられるには信頼される専門職が必要、という声から国家資格として誕生し15年、介護の現場にも資格を持った人は増えています。
しかし、残念なことにあまり認知されていないように感じます。
私が施設職員だった当時、「施設は大変なところ、介護は汚い仕事、嫌がられる仕事」と見られていました。
希望者も少なく、「月給制で公務員程度の待遇で」と誘い、1週間もすれば見よう見まねで働ける時代でした。
そのため介護職には専門の資格は必要ないとされ、その施設だけでしか通用しない論理や実践を引っさげて施設内完結型の環境を自らがつくり出していました。
そこに風穴をあけるべく登場したのが「介護福祉士」です。
資格を取得するには、指定の福祉施設で一定期間の実務経験を得て、自学自習で学科と実技の両方の試験に挑戦する方法と、介護福祉士養成施設の指定を受けた大学や短大、専門学校などに入り、講義や実習を受けて卒業することで国家試験を免除され、資格を付与してもらう方法があります。
このような養成施設は今年5月現在、全国に458校あります。
が、定員割れを起こしている学校も少なくありません。
高齢者の増加と介護サービスの多様化で専門職の必要性は高まるはずですが、思うように需要は増えていません。
■ 名ばかりの介護福祉士はいりません
「車椅子のお年寄りと話をする時は目線をきっちりと合わせてね」「どうして?」「立ったままで話をすると威圧感、不安感を与えるからよ」。
こんなことは介護の原点です。
しっかりした介護教育を受けていれば、「そっちに行ったらダメ。こっちに来て」ーーこんな指示、命令の言葉が施設で氾濫(はんらん)することはないはずです。
教育機関はもっと介護福祉士の養成に真摯(しんし)に向き合い、介護教育に取り組むべきです。名ばかりの介護福祉士はいりません。
「やはり専門職の介護は安心だ」
「福祉の現場にも有資格者がもっと増えてもらわないと困る」と利用者から声が上がれば、介護福祉士の需要も地位も高まるでしょう。
介護職員の態度や言動に違和感を感じたら、ほんの少しだけ勇気を出して聞いてみてください。
あなたはどこの学校で介護福祉士になったの?」と。
サービスを利用している高齢者と家族の当然の権利なのですから。
三好 明夫
ノートルダム女子大学 社会福祉学 教授
https://notredame-db.net/detail.php?id=65
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