こんにちは!ふくみっとの中の人です!
「コラム紹介」とは!私が出会ったコラムの中で、介護職に携わる皆さまにぜひお伝えしたい名コラムを紹介するコーナーです!
このコラムは、福祉人材の育成に尽力されているノートルダム女子大学教授の「三好 明夫」先生が、2004年頃に愛媛新聞に寄稿されていた、『介護人への12章』です。
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介護保険制度で重要なもののひとつにケアプラン(介護サービス計画)作成があります。
このケアプランは利用者自身や家族でも作成可能ですが、一般的には専門職であるケアマネジャー(介護支援専門員)に依頼することが多いようです。
ケアマネジャーは、要介護者の希望や心身の状況に応じて、適切な介護プランを作り、サービスを提供する介護保険施設などと連絡調整を行うことが主な仕事です。
要介護認定者数やサービス利用者の増加で、ケアマネジャーの役割は、今後ますます重要になるでしょう。
さらに75歳以上の「後期高齢者」の増加が著しいという調査結果もあり、高齢者を取り巻く状況の把握や予測も、ケアマネジメントには重要とされています。
介護保険サービスの向上には、ケアマネジャー力量が問われます。
ケアマネジメントとは、「ある人またはチームが、複数のニーズを持った人々の社会生活機能や福祉を最大限に享受できることを目的として、フォーマル(公的)およびインフォーマル(私的)なサービスや支援のネットワークを組織化し、調整し、維持すること」と定義されています。
利用者や家族のニーズを的確に把握し、サービスの調整を行う効果的な援助実践が求められているわけです。
しかし、現実には、要介護度に応じた支給限度額内に収めるための工夫と努力こそが、優秀なケアマネジメントでありケアマネジャーであると勘違いされることが多く、ケアマネジャーは、ケアプランナーとかマネーマネジャーと、揶揄(やゆ)されてしまうことがあります。
ケアマネジャーも介護に携わる対人援助技術者の1人です。
援助過程で十分な情報提供を行い、利用者が自己選択、自己決定していけるようなソーシャルワーク(社会福祉援助技術)の実践が望まれます。
また、ケアマネジメントをしていく上で、ケアマネジャーはさまざまな困難ケースに向き合うことが多いでしょう。
要介護認定の申請拒否、介護サービスの利用拒否、自己負担の支払いができない、介護者がいない、状況の変化で限度額以上のサービスが必要となった・・・などです。
こうなるとサービスをそろえて提供するという調整だけでは問題解決にはつながりません。
援助実践によって、依存的ではなく、自律的な利用者と向き合っていくことが、さまざまな問題を解決する最善の方法です。
そのためには、ケアマネジャー自身が、変化するニーズに対応できる知識や、地域の社会資源を常に調査し、勉強し続けなければなりません。
人権尊重や主体性の尊重、公平性、中立性、社会的責任、守秘義務などの基本倫理をしっかりと身に付けることも必要です。
職場や職域を超えた意欲的な学びの場など、自己研さんが不可欠であると思います。
三好 明夫
ノートルダム女子大学 社会福祉学 教授
https://notredame-db.net/detail.php?id=65
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