Kubota
さて、今回は北区にあります、
「ヘルパーステーションかざみ」様に伺ってきました。
今の会社に至るまでの経歴や、
様々な苦悩からのお話をしていただきました。
大人もためになる話かも。
人物紹介:木下さん
ヘルパーステーションかざみを運営している、
株式会社ヒューマンサポートサービスの代表取締役木下様。
TOPICS
じゃあ早速なんですが、
簡単に自己紹介をして頂いても
宜しいですか?
自己紹介ですか?
ん~どう言えばええかな(笑)
株式会社ヒューマンサポートサービスを経営してます木下と言います。
元々は人材サービス会社からスタートしてるんです。
立ち上げが平成15年の5月なんですけれども最初は人材派遣とか、一年後くらいから有料職業紹介。
有料職業紹介って聞かれたことありますかね?
聞いたことあります!
そうですか。
要は就職の斡旋をするんですけども。
それをもちろん有料ですんで、求人をしている企業さんからお金を頂くっていう形のサービスをやってたんですけど。
丁度リーマンショック※の時に経済がガタガタになったことがあるので、
その時に「何かもう一つ事業を持たないといけないな」というところから、ヘルパーステーションかざみを立ち上げました。
そうだったんですね!?
なんで障害者の事業をしようと思ったかと言うと・・・
平成15年の立ち上げから3年後くらいやったと思うんやけど、京都中小企業家同友会ってゆう団体があって、
経営者の勉強する会であり運動体でもあるんですけど、結構今、学生さんとも連携とったりしてる団体なんですよ!
そこの中にある障害者問題委員会っていう専門委員会に入って勉強するんですけど。
今でこそ中小企業でも障害者雇用について取り上げられるようになりましたけど、当時はまだまだ行き届いていない部分もあって。
その障害者を取り巻く諸問題について考える会で、知ることから始まり関心を持つようになり、職場実習で事務として受け入れたりしていく中で障害者のことを他人事ではなく自分ごととして考えるようになったのがきっかけですね。
そうなんですね〜。
もっと深く話すと、会の中には企業経営者だけでなく障害者の就労支援施設をされている方も多かったんですよ。
就労系って言うのは、一般企業ではなかなか働けないような障害を持ってる人が工賃をもらって働く訓練をするもので。
目標は一般企業に送り出すような機関になるんやけど、こういう就労系をされるところは多かったんですけど、居宅は少なかったんですよ。
それなら居宅の方を自分がやっていくことで何か役に立つんじゃないかなって思ったところから、リーマンショックの時にもう一本何かしようと思った所に繋がったっていうのがきっかけですね。
なるほど~。
簡単にヘルパーステーションの生い立ちも説明すると・・・
当時は人材サービスの会社が西京区の桂にあったので、桂で立ち上げたんですよ。
ゼロからのスタートやから賃貸のワンルームみたいなとこから始めて、人材サービスとの両輪で少しずつスタッフさんも増えてきて、平成22年にJR二条駅の近くに移転をして2つの事業を同じオフィスでやってました。
徐々に障害福祉サービス事業に比重を置くようになって、事業を一本化して令和元年に北区に移転。
現在に至るという感じですかね(笑)
なるほど~!
ありがとうございます!
自己紹介のみならず
会社の生い立ちまで
語っていただいて
有り難いです。
あっそうですか(笑)
でも他人事だった事が
自分事になるって、
なかなか無い経験ですよね?
なかなか自分事として考えるって難しいと思うんやけど、私もなんで思えるようになったかっていうと、
勉強会の中で知らなかった世界を知れた事がきっかけで。
そこから明日事故にあって、自分や家族が障害を持つようになるかもしれないって考えるようになって。
そういった情報を得たことによって意識するようになって、自分事にどんどんなってきたっていうのが事実なんですけどね。
ほんとそうですよね~。
自分もまだまだ
若いんですけど、
いつ事故とか病気とかで
障害を患うかも
わからないですよね。
あるでしょ、ホンマにね。
はい。
知らないことを知って
意識するっていう点でいうと、
僕もこういったインタビューで
お話を伺う中で、
福祉の事が他人事ではなく
自分事になってきているな
っていう感覚はあります。
この活動を通して
多くの方に福祉の現状を
知ってもらって、
皆の自分事になって
もらいたいなって思います。
疑問なんですけど、
移転とかされている中で
実際仕事って
どのエリアでするんですか?
すみません唐突に(笑)
移転をしたっていうのが一番の原因なんですけど、桂からスタートして当時のメインが西京区・右京区だったんですね。
それが中京区に移って、北区に移ってきたところなので、未だに西京区・右京区・中京区・下京区、あと左京区の方が多いです。
北区に事業所があるんやけどまだ横の繋がりも薄くて北区以外の訪問が多い不思議な事業所ですね。
へぇ~
以前からの繋がりも
大切にされてるんですね。
ただ今の拠点の北区での繋がりも広げていきたいんで、最近銀行絡みで、京都信用金庫さんのQUESTIONとかって知ってるかな?
あ!はい。
僕たちも良く使ってます!
そうなんやね!
そういう学生さんとの繋がりとか、企業とか地域との繋がりっていうのに凄い力を入れてはって。
ここ2,3ヶ月前から
オンラインで北区エリアでの福祉関連の業界の人との情報交換、まず知るところからやっていってて、北区の利用者さんも増やして行きたいなって思うんですけどね。
そうなんですね!
じゃあ結構エリア的には
広いんですね。
訪問介護は自転車とかで
移動されるって
聞いたことがあるんですけど、
筋トレより
大変そうですね・・・(笑)
自転車だと大変ですね(笑)その辺りは柔軟に対応してるんで安心して下さい。
公共交通・原付き・車での訪問もOKにしてます。
公共交通はもちろん全額会社負担ですし、原付きは持ってない人は会社で購入もさせてもらってます。
そうなんですね(笑)
車が良いって方はそれも許可してますし、ガソリン代やパーキング代も会社負担でさせてもらってます。
ただ、自分の家の近くしか対応できません…って方は、
今うちはちょっと難しいのかなって。
なるほど!
でもそこまで
手厚いんだったら
いろんな所に訪問するのも
大変じゃなさそうですね。
もちろん京都市内ですしね(笑)
あと働いて下さる方の事情でちょっと桂までは…っていう方もいると思うんですけど、それだけで採用しないってことではなくてその辺りも相談しながら柔軟にやってますね。
そうなんですね~。
全員が全エリアって
わけじゃなくて
相談が出来るのは
良いと思いますし、
働く人にとって
ありがたいですよね。
事業所をやりだして12年ちょっとですけど、まだまだ課題がいっぱいというか発展途上なんで、何を一番大事にしてるかって言うと。
やっぱり相談というかコミュニケーションというか。
そこが一番大切やと思うんで。
トップダウンではなくて皆で話し合って納得して決めて、何でもやっていくって感じですね。
なるほどなるほど~。
何かどんどん
良い話が出てきますね(笑)
まだあればで
良いんですけど、
働く人にとって
嬉しい情報というか
福利厚生みたいなものって
ありますか?
(笑)
うち少ない人数の割には資格は皆に取っていってもらっているんですよ。
もちろんサービスがメインなんで、休みなんかも上手く調整しないといけないんやけど。
介護福祉士や同行援護、行動援護なんかも受講していってもらってますし、受講料なんかは全額会社負担で受けてもらって取ってもらって。
えー凄いですね。
なんか至れり
尽くせりですね(笑)
かといって中には辞めた方もいるんやけども、これは会社の責任やと自分の責任やと思ってるので。
ですので会社で取ったんやから辞めんといて!とかそういうんは一切言わへんし。
もちろん取りたくない人には無理強いはしないけれども、是非取りたいって言う方には受けて行ってもらうっていう…まぁ自主性かな?
そうですよね。
ホームページの理念にも
共に成長っていうのは
書かれていたと
思ったんですけど、
そういったとこに
繋がるんですね。
今コロナでこんな時期でもあるから、サービスは常勤さんも直行直帰で。
登録の方は元々そうなんやけど。でも常勤さんも事業所に来て何かしたいときは自由に来てもらっていいけど、基本は直行直帰にしてます。
へえーーー。
確かに(笑)
でもそれが成り立つのは
お互いの助け合いというか、
会社の柔軟性が
あるからこそですよね。
そうやね(笑)
まぁ事務所にはほとんど来ないので、さっきコミュニケーションを重視してるって言ったけれども本当に十分な時間を使って出来てるのかってところなんですけれども。
ただ、コロナ禍でも月に一回だけはお弁当を取ってお昼ご飯を一緒に食べて、その後ちょっとミーティングをするっていうのは続けてますね。
コロナで
コミュニケーションを
とる時間ってやっぱり
減ってしまいますよね。
コロナ前の方がコミュニケーションの時間は多く取れてたけど、時間をかけていたり毎日会うから良い関係が築ける訳ではなくて。
取り組み方ひとつで少ない時間でも今の方が絆は取れてるかなって思うけどね。
まぁ裏切られるかもわからんけど(笑)
大丈夫だと思います(笑)
でも施設と違って
訪問だと職員同士での
関わる時間が少ない分、
自主性や
コミュニケーションの工夫が
大切になってくるんですかね?
そうやね。
仕事においても事故があったりとかなんかあった時に、施設やと責任者がいたり誰かに助けを求めたり出来ると思うんやけども。
居宅の場合は基本1対1なんで、何かあった時は電話とかメールでのやり取りになってしまうんやけれども。
そういう部分ではしんどいじゃないですけど、何もなければ自分のペースでやれる部分があると思う。
逆に施設とかだと色んな人の目があったりすると思うし、ただそういうのが無い代わりに、何かあった時は自分でやらないと場合によっては命に関わりますし。
何もないにしても、
自主性は大事やと思います。
なるほど~。
居宅で働く上で、
他に気を付けて
おくというか
注意点ってありますか?
やっぱり時間やね。
施設やと交代勤務やけど、固定の時間の中でシフトが組めるんやけど居宅はそういう訳に行かなくって。
ある程度の塊は作ってシフトを組むんやけども。
明日は朝8時からお昼まで、そやけども来週の同じ日は昼からになったりとか。
割と時間が固定化出来ないっていうのがありますね。
そうですね~。
働く側からすると
ある程度固定されてた方が
働き易かったりする
とは思うんですが、
でも先程仰ってた
基準の労働時間より
短くなることもあったりとか、
直行直帰で働けたり、
それでもちゃんとお給与が出る
というところで。
そういう自主性というか
マイペースで働きたい方や
家庭の事情で固定より
柔軟な働き方を希望される方に
はお勧めだと思います。
施設でもそうやけども、
自己管理というか自分を律するというところは求められますね。
何の仕事をするにしても
自分を律するっていうのは
必要ですよね。
基本訪問に行かれるときは
お一人で行かれるんですよね?
基本そうですね。
もちろん採用にあたっては、最初は研修ですので同行からスタートしますので一人ではないですけどね。
なるほど
ありがとうございます。
他に何か
お仕事を探されている方に
アピールポイントって
あったりされますか?
さっきお話した部分にもなるんですけど、どんどん資格取ってもらってスキルアップして他でも通用する人になって頂ける、そういうところは大事にしたいと思ってます。
巣立って行く時には2ヶ月前には言って欲しいんですけど、もし退職や転職の相談があったなら、しっかり受けとめたいと思いますし、私も皆さんの意思や目標は大切にしていきたいなと思ってます。
素朴な疑問なんですけど、
なんでそこまで
出来るんですか?
ん~自己実現ですかね。
その方の成長やなりたいものを応援したいし。
それがうちでなくても福祉業界にいる以上、この業界に貢献してもらえて誰かを幸せに出来ているなら良いのかなって思うので。
なるほど~!
いや、上からに
なってしまうんですけど
素晴らしいですね!
いえいえ(笑)
あとね、これは入職されてから伝えるもんなんやけど。
いくら請求があった、会社の売り上げがどれだけっていうのが資料を見ればわかるようにしていて、明確にというかオープンにしてます。
決算書もオープンにしてますね。良いのか分からないけど、信頼関係を作るのにこれをなくしては語れないというか、作れないんじゃないかなと思ってます。
会社が誠実・嘘つかないって言うのを実践しないと職員に求めれないですし、居宅では大切な要素だと思うんですよね。
普通、
上場企業とかじゃないと
開示する義務はないわけじゃ
ないですか?
でもそういった姿勢が
大切なんですね~
自慢できるような内容のものではないんですけどね(笑)
1対1になるサービスですからね、やっぱり長く続けるには大切だと思います。
性格は変えられへんけど、責任感や誠実さは意識することで変えられると思うんですね。
うちに来てからそういうのを身に着けてもらっても良いのかなって思います。
木下様の人柄というか
事業所様の良さが
凄く伝わって来ました。
実は事前に木下様の
Facebookを拝見させて
頂いたんですけど、
なんかイメージ通り
というか(笑)
Facebook見てくれたん(笑)
仕事のことじゃなくてアホなアップばっかりしてるから(笑)
激辛ペヤングの食べ比べ
とかですよね(笑)
(笑)
それにしてもあれは辛いというか痛かったね(笑)
僕も食べたこと
あるんですけど
ヨーグルトと牛乳がry
最後に今後の展望
というか目標を
お伺い出来ますか?
最終的な目標はグループホームを作ることですね。
居宅だけでは売り上げの限界もありますし、従業員の成長や働き易さ、週休二日で固定の時間の勤務などにも対応できるようにしたいと思てます。
もちろん利用者さんもそうで、これから親御さんが先に亡くなってしまって一人で住めない方が住める場所を運営していくのが目標ですね。
もちろん私も目標をもって仕事をしてますけど、是非うちに来て下さった方にも何か目標を持って成長していって欲しいと思ってます。
凄いですね!
いつ頃を目標に
してるんですか?
5年ですね。
5年、もう直ぐですね。
僕もこの活動を通して
少しでも貢献できるように、
色んな方にこの福祉の現状を
自分事に感じて頂けるよう
取り組んでいきたいと
思います。
今までの会社の軌跡から、
会社経営で経験した過程を元に
こうした方が従業員の満足度、
働きやすさが改善できるんじゃないかとか、
管理者として様々なことに
奮闘されてるのが非常に伝わってきました。
雇われる側としても、
為になる話は盛り沢山でした。
ほなまた。